DENTAL NEWS

歯の治療は最後まで 〜中途半端の放置は高くつく〜

相変わらず多い「がまんできずに」
近頃は、歯に対する意識が向上したこともあって、「定期的に受診」「冷たいものがしみる」「小さな虫歯を見つけた」などで早期に受診する人が増えました。しかし、相変わらず「痛くなって」「がまんできずに」ということで来院する方も多いようです。
となると「虫歯が大きく、詰めるだけでは治りません。"神経"を取りましょう」ということになりかねません。
そして、二、三日して痛みを感じなくなると、予約は気になるものの、仕事の忙しさにまけて歯医者から遠のいてしまう……。


神経抜いたままでは危険
でも、ちょっと待ってください。
神経を取ってそのままにしておくのはとても危険なのです。

そのままにしておくと、神経のあった空間にばい菌が入り込み、歯の根の部分にウミがたまってしまいます、そうなると歯を抜かざるを得なくなることが多いのです。また、歯型をとって金属やプラスチックで被せものなどを作り、次回いよいよ装着することになっているのに、来院されないままになることもあります。患者様の口の中には間に合わせの仮歯が入っているので、「それでいいや」と思われているのかもしれません。
でも、ピッタリ合わせて作ったものとは違い、あくまでも仮の歯に過ぎません。歯との段差があるためにばい菌が入りやすく、予後が心配です。


手遅れにならないように
歯の表面はエナメル質で覆われ、その内側に象牙質、さらに内側に神経と呼ばれる歯髄があります。
歯髄は細かい神経組織と血管からなるもので、歯に栄養を与え、痛みを感じるのもこの部分です。そういった役割のある神経を取ってしまった歯は、十分な栄養が与えられないためにもろくなり、強い力で噛むと折れてしまうことがあります。また、その歯の別の部分が虫歯になっても、神経がないので痛みを感じることがなく、手遅れになってしまう可能性が高くなります。

病気は早期発見、早期治療に勝るものはありません。虫歯になったのは仕方ないにしても、最後まで治療していただくことが歯を長持ちさせ、治療費の節約にもなるのです。

とても大切な乳歯のケア 生え替わるかもしれませんが

乳歯の果たす役割
乳歯が永久歯と生え替わり始めるのは六歳前後で、まず下の中切歯から抜けていきます。
そして上の中切歯、下の側切歯、上の側切歯と、乳歯が生え始めたときとほぼ同じ順序で抜け替わっていきます。
永久歯の芽は受胎後三ヶ月頃から徐々に出来始め、乳歯の発育とともに育ちながら自分の出番を待っています。永久歯は乳歯の根を吸収するような形で発育を続けるので、生え替わる前には乳歯の根はほとんどなくなってしまいます。根の部分を吸収されてしまった乳歯は、固定できずにグラグラと動き始め、やがて永久歯に押される格好で抜け落ちていきます。小学生の期間は、乳歯が次々と永久歯に生え替わる時期でもあり、永久歯が完全に生え揃うのは十二〜十三歳頃となります。
このように乳歯と永久歯は密接に関係しており、乳歯が健全であれば、永久歯も正しいサイクルで正常な位置に生えてくることができます。


乳歯の果たす役割
歯には三つの役割があります。
ひとつは「食べ物を噛み砕く」こと、次が「顔の形を整える」こと、そして「発生を助ける」ことです。
乳歯はこの三つの大きな役割の他にもうひとつ大切な役割も担っています。それは「永久歯の生える場所を確保する」というものです。永久歯は乳歯と入れ替わりで生えてきます。ですから、生える場所を誘導してくれる乳歯がない永久歯は、とんでもない場所に顔を出すことになります。抜ける時期に来ていないのに虫歯などで乳歯がなくなってしまった場合、また虫歯にやられた乳歯の根がいつまでも残ってしまった場合など、永久歯が正しい位置に生えてくることができない状態にあると、ほかの永久歯の領域に進入したり、乳歯の根をさけるために歯肉の横から生えてしまうなど、乱ぐい歯と呼ばれる歯並びを作る原因につながってしまいます。
したがって、乳歯が虫歯にならないように気をつけること、そして虫歯になったら早めに治療を行い抜歯しなくてもすむようにすること、「すぐに抜け替わる歯だから」といって乳歯の虫歯を放っておかないことが大切といえるでしょう。